国際比較では、日本人の睡眠時間は短い傾向にあると指摘されています。OECDの生活時間データでも各国の睡眠時間が比較されていますが、調査年や調査方法が異なるため、順位だけでなく、日本人が必要な睡眠を確保できているかに注目することが大切です。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は個人差を踏まえながら、6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することが推奨されています。
また、睡眠は長さだけでなく、朝起きたときに「しっかり休めた」と感じられる睡眠休養感も重要です。睡眠を改善するには、運動、光、生活リズム、寝室環境などを無理のない範囲で見直していきましょう。
睡眠不足につながりやすい生活習慣
睡眠時間や睡眠休養感に影響する要因は人によって異なりますが、次のような生活習慣には注意が必要です。
- 遅い就寝時刻や短い睡眠時間
- 日中の運動不足
- 就寝前のスマートフォンや明るい照明
- 自分に合わない寝具や寝室環境
どれかひとつだけが原因とは限りません。まずは、自分の生活の中で改善しやすいところから見直すことが大切です。
適度な運動を習慣にする
適度な運動を習慣的に行うことは、睡眠休養感を高めることにつながります。ウォーキングや軽いジョギングなど、無理なく続けられる運動から始めましょう。
デスクワークが中心の方は、移動時に少し多く歩く、階段を使う、休憩中に身体を動かすといった方法でも、日中の活動量を増やせます。
一方で、就寝に近い時間帯の激しい運動は、身体を興奮させて寝つきを妨げることがあります。負荷の高い運動はできるだけ日中から夕方までに行い、寝る前は軽いストレッチ程度にしましょう。
朝の光を浴び、夜のスマホを控える
睡眠のリズムを整えるためには、光を浴びる時間も重要です。朝から日中に明るい光を浴びると、体内時計が調整され、夜の自然な眠気につながります。
反対に、夕方から深夜にかけて明るい照明やスマートフォンの画面を長時間見ると、体内時計が遅れやすくなります。
寝る前は部屋の照明を少し暗くし、スマートフォンを寝床から離すなど、無理なく続けられるルールを決めてみましょう。
睡眠環境と寝具を整える
寝室は、暑すぎず寒すぎない温度に調整し、できるだけ暗く静かな環境をつくりましょう。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、室温20℃前後、湿度40〜70%程度がひとつの目安として紹介されています。
ただし、快適に感じる温度や湿度には、季節や寝具、体質による個人差があります。数値だけにこだわらず、暑さや寒さで目が覚めない環境を整えることが大切です。
マットレスは、寝姿勢や体型、好みの硬さに合っているかを確認しましょう。肩や腰に強い圧迫感がないか、無理なく寝返りができるかも、マットレス選びの大切なポイントです。
小さな改善を実践・継続する
睡眠のために、生活習慣を一度にすべて変える必要はありません。まずは次のような、続けやすい習慣から始めてみましょう。
- 起床時刻をなるべく一定にする
- 朝起きたらカーテンを開けて光を浴びる
- 日中に少しでも身体を動かす
- 就寝前は照明を暗めにする
- スマートフォンを寝床から離す
静かな音楽を聴く、紙の本を読む、ぬるめのお風呂に入るなど、自分が落ち着ける時間をつくることも睡眠への準備になります。
睡眠は心と身体を休める大切な時間
睡眠は、単に身体を横にして休むだけの時間ではありません。必要な睡眠時間を確保し、適度な運動や光の浴び方、寝室環境を整えることで、朝の睡眠休養感を高めやすくなります。
まずは自分の睡眠時間と生活習慣を振り返り、できることをひとつずつ続けてみましょう。
生活習慣を見直しても眠れない状態が続く場合や、強いいびき、睡眠中の呼吸停止、日中の強い眠気などがある場合は、睡眠に関わる病気が隠れている可能性もあります。早めに医療機関へ相談してください。
エビデンス・根拠資料
OECD「Time use database」
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
厚生労働省「快眠と生活習慣」
厚生労働省「不眠症」




















