いつでも手軽に情報を調べられ、SNSや動画、ゲーム、ショッピングなども楽しめるスマートフォン。生活に欠かせない便利な道具ですが、寝る直前まで画面を見てしまう方も多いのではないでしょうか。
「あと10分だけ」と思っていたのに、気づけば1時間近く経っていた――
このような寝る前のスマホ習慣には注意が必要です。
結論からいえば、寝る前のスマホは、画面の光・情報による刺激・睡眠時間の短縮という3つの面から、睡眠を妨げる可能性があります。完全に手放すのが難しい場合でも、寝床から離す、通知を切る、使用を終える時刻を決めるなどの対策から始められます。
寝る前のスマホが睡眠に影響する3つの理由
1.画面の光が体内時計に影響する
スマートフォンやタブレット、パソコンなどの画面からは、ブルーライトを含む光が発せられています。
夕方から深夜にかけて明るい光を長時間浴びると、体内時計が後ろにずれ、眠気をもたらすメラトニンの分泌に影響することがあります。その結果、寝つきにくくなったり、朝起きづらくなったりする可能性があります。
発光型の電子書籍端末と紙の本を比較した小規模な実験でも、就寝前に発光型端末を使用した場合は、寝つくまでの時間や体内時計、翌朝の覚醒度などに影響がみられました。
2.SNSや動画などの情報が眠気を遠ざける
寝る前にSNSやメッセージ、動画、ゲームなどを見ると、次々に新しい情報が入ってきます。内容によって気持ちが高ぶったり、続きが気になったりすると、眠る準備に切り替えにくくなります。
特に、SNSの反応やLINEなどのやり取りは感情が動きやすく、「寝なければ」と思いながら見続けることがストレスになる場合もあります。
眠っている間に通知音や振動が鳴れば、睡眠を妨げる原因にもなるため、通知の設定やスマートフォンを置く場所も見直してみましょう。
3.スマホを見る時間だけ睡眠時間が短くなる
寝る前のスマホによる最も分かりやすい影響は、使用した時間だけ就寝が遅くなることです。
「あと少しだけ」と画面を見続けることで、次のような状態につながる可能性があります。
- 睡眠時間が短くなる
- 朝起きづらくなる
- 日中に眠気や集中力の低下を感じる
- 就寝時刻が遅くなり、生活リズムが乱れる
ブルーライトだけでなく、スマートフォンを見続けて睡眠時間そのものを削っていないかも確認することが大切です。
ナイトモードだけで対策できる?
ナイトモードやブルーライトカット機能、ブルーライトカットフィルムなどは、画面から受ける光を抑えるための補助的な対策になります。
しかし、SNSや動画による情報の刺激や、使用時間が長くなることまでは防げません。画面の色や明るさを変えたからといって、寝る直前までスマートフォンを使い続けてよいとは限らない点に注意しましょう。
無理なく続けられる「寝る前マイルール」
習慣になった寝る前のスマホを、急に完全禁止する必要はありません。まずは、続けやすいルールをひとつ決めることから始めてみましょう。
- 通知音や振動をオフにする
- スマートフォンを寝床から離れた場所に置く
- 目覚まし時計を使い、スマートフォンを寝室に持ち込まない
- 就寝前は画面を見ない時間を決める
- 画面の明るさを落とし、部屋の照明も暗めの暖色系にする
- 軽いストレッチや紙の本、静かな音楽などに置き換える
- 翌日の予定や気になることを紙に書いておく
最初からすべてを実践するのが難しい場合は、「寝床ではスマホを見ない」「就寝前30分は画面を閉じる」など、ひとつのルールから試してみてください。
睡眠のためにスマホとの距離を整える
寝る前のスマホは、画面の光だけでなく、情報による刺激や睡眠時間の短縮を通して、眠りに影響する可能性があります。大切なのは、スマートフォンを完全に手放すことではなく、自分が無理なく続けられる距離をつくることです。
まずは通知を切る、寝床から離す、使用を終える時刻を決めることから始めてみましょう。
生活習慣を見直しても眠れない状態が続く場合や、日中の生活に強い眠気などの影響が出ている場合は、早めに医療機関へ相談してください。
エビデンス・根拠資料
厚生労働省「快眠と生活習慣」
厚生労働省「あなたの睡眠の質 大丈夫ですか?」
米国国立医学図書館(PMC)「就寝前の電子端末と睡眠への影響」




















