マットレスを選ぶとき、「硬めと柔らかめのどちらがよいのだろう」と迷う方も多いのではないでしょうか。
結論からいえば、硬めのマットレスがすべての人に適しているわけではありません。ただし、柔らかさはトッパーなどで加えやすいため、迷ったときに「少し硬め」を選ぶ方法は、購入後の調整を考えた選択肢の一つです。
大切なのは、「硬め」という表示だけで判断せず、体格や寝姿勢に合った適度な硬さを選ぶことです。
「少し硬め」は調整しやすい選択肢
柔らかすぎるマットレスでは、腰やお尻など荷重がかかりやすい部分が深く沈み、寝返りをするときに余計な力が必要になることがあります。
マットレス本体の支えが弱く、身体が深く沈み込む状態を、上に何かを重ねて硬く調整することは簡単ではありません。
一方、マットレス本体に十分な支えがあり、表面が少し硬いと感じる程度であれば、トッパーなどを重ねて表面の感触を柔らかく調整できる場合があります。
そのため、次のような方には「少し硬め」も選択肢になります。
- 柔らかいマットレスで腰やお尻の沈み込みが気になる
- 寝返りのしやすさを重視したい
- 購入後に表面の感触を調整したい
- しっかりと支えられる感覚を好む
ただし、トッパーで調整できるのは主に表面の感触です。マットレス本体のへたりや、深い沈み込みを根本的に改善できるものではありません。
硬すぎるマットレスにも注意が必要
厚生労働省では、マットレスや敷布団には「適度な硬さ」が必要だとしています。柔らかすぎると腰や胸が深く沈み、反対に硬すぎると肩やお尻などに圧力が集中しやすくなります。
慢性的な非特異的腰痛がある成人を対象にした研究では、硬いマットレスよりも、中程度の硬さのマットレスで良好な結果が報告されています。ただし、この結果がすべての人に当てはまるわけではありません。
「硬いほど身体をしっかり支えられる」とは限らないため、肩やお尻に強い圧迫感がある場合は、硬すぎる可能性があります。
体格や寝姿勢によって硬さの感じ方は変わる
同じマットレスでも、体格、体重、身体の凹凸、寝姿勢によって硬さの感じ方は異なります。
一般的には、次のような傾向があります。
- 体重が軽い方:身体が沈みにくく、マットレスを硬く感じやすい
- 体重が重い方:腰やお尻が沈み込みやすく、より支えを必要とする場合がある
- 横向き寝が多い方:肩やお尻に圧力が集中しにくい柔らかさが合う場合がある
- 仰向け寝が多い方:腰が沈み込みすぎない支えが必要
これらはあくまで傾向であり、身体の形や好みによっても変わります。メーカーが表示する「硬め」「普通」「柔らかめ」も、素材や構造によって感触が異なるため、表示だけで判断しないことが大切です。
実際に試すときの確認ポイント
店頭などで試せる場合は、短時間横になるだけではなく、普段の寝姿勢を取り、実際に寝返りもしてみましょう。
確認したいポイントは次の4つです。
- 腰やお尻だけが深く沈み込んでいないか
- 肩やお尻に強い圧迫感がないか
- 無理な力を使わずに寝返りができるか
- 仰向けと横向きの両方で姿勢が安定しているか
「柔らかくて気持ちよい」「硬くて安心する」という第一印象だけでなく、身体全体が無理なく支えられているかを確認します。
購入後に柔らかさを調整する方法
マットレスが少し硬いと感じた場合は、トッパーや敷きパッドなどを使って感触を調整できます。
- トッパー:表面のクッション性や沈み込み方を調整する
- 敷きパッド:肌触り、温度、湿気対策を中心に、感触をわずかに調整する
- ベッドパッド:マットレスの保護やクッション性の補助に使用する
調整用品を選ぶときは、厚みや素材だけでなく、使用しているマットレスとの相性も確認しましょう。重ねすぎると身体が沈み込み、寝返りがしにくくなる場合があります。
「少し硬め」はあくまで選択肢の一つ
柔らかすぎるマットレスをあとから硬くするのは難しいため、購入後の調整を考えて「少し硬め」を選ぶ方法には合理性があります。
ただし、硬すぎるマットレスでは肩やお尻に圧力が集中することがあります。特に体重が軽い方や横向き寝が多い方は、硬さだけでなく、身体への当たり方も確認することが大切です。
マットレス選びで重要なのは、硬めか柔らかめかという表示ではありません。腰やお尻が沈み込みすぎず、肩に強い圧迫感がなく、自然に寝返りができることを基準に選びましょう。
エビデンス・根拠資料
厚生労働省「よく眠るために必要な寝具の条件」
J-STAGE「ベッドマットレスの硬さが寝姿勢・体圧分布に及ぼす影響」
PubMed「マットレスの硬さと慢性非特異的腰痛に関する比較試験」




















